ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

2013-10-12から1日間の記事一覧

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (6)

アングラ金融に加えたもう一つの中国金融システムの問題点は、「理財商品」と呼ばれる銀行の窓口で販売される高利回りの預金性商品。むしろメディアでは、こちらの理財商品の方がシャドーバンキングの震源地として報道されることが多い。時はさかのぼり、真…

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (5)

ナニワ金融道の世界。筆者が中国のアンダーグラウンド金融を知れば知るほど、その実態が昔愛読したナニワ金融道の世界に酷似していることに気が付く。アングラなだけに正確な統計はないが、多くの専門家は中国の融資総額の30%前後は、当局が把握していない違…

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (4)

温州は海沿いの街であり、名産料理は海鮮(シーフード)。地元の名士に紹介して貰った、「安くてうまい」海鮮料理屋で夕食を取ることにした。確かに安いが、これぞ中国という風情の店。イケスに入った魚介類を選ぶと、店員がその場で調理して持って来てくれ…

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (3)

温州はチャンスと自由があるポジティブな面を持つと共に、いま中国が抱えるネガティブな面も同時に合わせ持っている。と、その話に入る前に、そもそもなぜ筆者がハーバードの研究員として、中国に来ることになったかの話をご紹介したい。 「中国という魔法の…

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (2)

倭寇の歴史も大きく影響しているはずと推測できるが、温州は中国のユダヤ人と通称される「温州商人」の出身地である。実は日本を初め外国に来ている中国人は、その非常に多くが、温州を初めとして上海から南に1000キロほどの沿岸部(浙江省、福建省、広東省…

ハーバード研究員が見たリアル・チャイナ (1)

ここは中国は浙江省の温州市。今回は筆者自身の研究をご紹介させて頂きます。 秋になったにも関わらず照りつける太陽、温度は30度を超えている。ジャケットを脱いでも、シャツに染み透るほどの汗。周囲で話される言葉は、中国語の普通語ではなく、地元の温州…

純粋ドメスティックが考えるグローバル人材(6)

「日本で忘れられた地政学という言葉」でご紹介した通り、欧米列強は、東インド会社など帝国主義の時代から、軍隊を動かすと同時に、資源権益や消費市場などの経済権益を確保し、それを本国に収益還元してきた長い歴史を有しており、必然的に「海外ビジネス…

純粋ドメスティックが考えるグローバル人材(5)

ここまでの話は海外で仕事をしていく上で不可欠な英語力(語学力)と、やや余談として筆者の中高時代の経験をネタにしたメンタル面の話をさせて頂いた。 ただもう少し野心的に捉えると、わざわざ「グローバル人材」と表現するところには、「ただの語学人材」…