ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (1)

f:id:madeinjapan13:20130527151932j:plain

TOEFLの件を投稿したところ、ブログを見てくれた友人から「どのように勉強すればいいのか?」と質問を頂いたので、大変僭越ながらあくまで参考まで、TOEFL ibt(英語)の学習法について自身の体験に基づいてご紹介しようと思う。

自身の体験というのは、筆者自身の英語学習の経験と、これに加えて、以前大学時代のサークルの後輩に対して、数ヶ月TOEFLスコアアップのトレーニングを行った体験、またハーバード留学時代の他の留学生から聞いた体験もエッセンスとして含まれているため、筆者自身だけの体験よりは大分一般化されていると思う。

 

TOEFL、このイマイマシキ難物」で検討した通り、現行のTOEFL ibtの特色は以下3点である。
1. Speaking、Writingも含まれた全方位的な言語運用能力を測定するテスト
2. Reading、Listeningすら、大学受験、TOEICと比較して圧倒的に難度が高い
3. 問題のクオリティは高く、試験勉強が「英語の実力」に直結する実感が持てる

 

(1)大学受験の知的財産を最大限生かす

筆者を含めて純ドメ受験生にとって悩ましいところは、Speaking、Writingも含まれている点である。これをもって、日本の英語教育を抜本否定し、奇抜な方法論に走る人もいるかも知れないが、筆者の考えはむしろ「大学受験からのスムーズな移行」をどう実行していくか、というところが最も重要であると感じている。多くの日本の高校生が、多大な労力を掛けて身に付けた「眠れる資産」を効果的に引き出すことの方が、いまさら「ダンスで覚える英語」をやるよりは近道ではないかと思う。


日本の大学受験英語の特色は、近年次第に速読やリスニングの比重が上がっているとは思うものの、ベースにあるのは予備校式の英文解釈と理解している。つまり「精読」である。十分な単語を覚えて、時間を掛けて英文を分解すれば、必ず全ての内容が理解でき、その結果日本語に翻訳できるというもの。実はこれは素晴らしい知的財産で、経験とカンで読むよりは遥かに短期間で難度の高い英文を読むことができるようになる。

 

この観点で筆者がお勧めしたい参考書は、以下の2冊である。
1. TOEFLテスト英単語3800 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
2. 120構文で攻略する 英文和訳のトレーニング

 

「英単語3800」は大学院留学をする日本人に広く普及している単語集。同書の優れている点は、大学受験の単語集からの引き継ぎがスムーズである点である。同書に収められている単語、ランク1からランク4の内、少なくともランク1については、かなり大学受験の単語とオーバーラップしているはずである。

また、単語が列挙され、その横に日本語訳が列挙されるという、いわゆる「受験単語帳」形式になっているところも、日本人には使い勝手が良い。一方で、ランク4の英単語は難易度が高過ぎるため一旦は学習対象から外すべきで、まずはランク1からランク3までの単語を完全にマスターするというのが、同書に取り組む上での目標となる。

 

「英文和訳トレーニング」は英文を精読するために必要な「構文」を120の項目に分類した参考書であり、Z会が制作しているだけあり、同書も大学受験経験者には馴染みやすいと感じる。受験経験者にとっては大部分が既習内容のはずであるが、意外と重要な構文知識が抜けている場合が多いので、同書によって完璧を目指す趣旨である。


基本的には「英単語3800」(ランク3まで)と、「英文和訳トレーニング」を完了すれば、かなりの難度の英文まで「時間さえ掛ければ」精読できるという境地に達するはずである。

 

> このブログの記事一覧へリンク