ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (2)

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前回の投稿「体験的TOEFL(英語)学習法 (1) 」でご紹介した2冊の書籍を完了すれば、かなり難易度の高い英文でも、他者の助けを借りず自分自身で「精読」の状態で、読み進めていけるようになる。

 

精読できる状態になったところから、リーディング問題、リスニング問題を時間制限内に解けるようになるまでには、大雑把にまとめて、「精読」→「音読」→「速読」→「シャドーイング」という4ステップを必要とすると考えている。

「精読」→「音読」→「速読」の3ステップについては、読んで字の如くであるが、同じ英文を精読し、音読し、速読するプロセスを繰り返す。重要なことは、同じ教材を繰り返し、繰り返し、とにかく繰り返すこと。特に音読の部分が実践している人が少ない、効果の高いパート。また以下ご紹介する通り、「精読」→「音読」→「速読」を繰り返す教材は、その後シャドーイングの教材に使うため、MP3やCDが付属している英文を使用する点も留意が必要。

 

筆者がお勧めしたい教材は、以下4冊である。(一気に4冊取り組むのではなく、どれか気に入った1冊に絞って取り組むべきと考えている。)

1. ETS公認ガイド TOEFL iBT CD‐ROM版
2. TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000語
3. 速読速聴・英単語 Core 1900
4. テーマ別英単語academic 初級

 

(2)リスニング突破のため、シャドーイングを実践する

「精読」→「音読」→「速読」の3ステップが、スムーズに繰り返せるようになった英文について、リスニング能力強化のためにシャドーイングに取り組む段取りとなる。

シャドーイングとは、例えばMP3で聞こえてきた英文を、後に続けて声に出して読んでいくトレーニングを意味している。MP3音源よりはコンマ数秒遅れて同じ内容を復唱することになる。

シャドーイングは、元々は同時通訳のプロ養成のためのトレーニング方法であるが、既に英語学習法としては市民権を得ている方法論になっていると思う。この訓練の最も画期的であると筆者が考えているポイントは、「集中力が持続しやすい」ことと、「英語を音のまま理解しやすい」こと。

 

「集中力が持続しやすい」ことは非常に重要なことで、黙って聞いているとどうしても睡魔が襲って来てしまうところ(何度撃沈したことか、、、)、シャドーイングで、次なにが言われるか分からない状態で聞き耳を立てながら、即座に同じ内容を声に出して言う、という環境であれば、流石に起きていられるし、継続することができる。

 

「英語を音のまま理解しやすい」とは、多くの英語学習者が陥りやすい問題を解決してくれる。受験英語からの移行プロセスで、リスニングで難航する最大の要因は、頭を使って英語を聞こうとすること。実は頭を使ってはいけない、むしろ思考停止の状態でダラダラ聞こえてくる英文の意味が「勝手に理解できてしまう」状態が目指すべき状態といえる。

例えば「Groundwater is water located beneath the earth's surface. 」という文章を最初に聞いたときに、読まれている英語の文章を、アルファベットの状態で復元する脳内プロセスが通常入ってしまう。厄介なことに、日本人がアルファベット上で理解している発音は、ネイティブの発音と異なっている。このギャップが実は想像以上に大きく、音を推測する時間分ロスが発生し、ネイティブのスピードについていけない状態を生み出している。

繰り返しシャドーイングをすることで、「ぐらぅんぅおたぁ  ぃず  ぅおたぁ  ろけいてぃっ  びにぃぃす  じ  ぁあしぃず  すぁーふぇぃす」という音の羅列だけを耳にして、言っている内容をイメージできることが理想的な状態である。

 

また、シャドーイング練習のためには、通常のCD音源やMP3音源ではスピードが速すぎるため、スマホアプリ等でスピードを減速して「精聴」するプロセスが不可欠となる。iPhoneの場合は、「語学プレーヤー〈NHK出版〉」が無料で使えて、音源の速度が変更できる。最初のシャドーイングの際には、70%ぐらいの速度で、慣れてきたら100%あるいは、120%に加速するという練習が効果的である。 

 

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