ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (3)

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(3)シャドーイングを続けていくコツ

「体験的TOEFL(英語)学習法 (2) 」でご紹介した4冊の参考書は、内容がアカデミズムで難易度が比較的高い。TOEFL ibtの試験問題のレベルにほぼ一致しているものの、これらの硬派な教材だけでモチベーションを維持できる人は少数派ではないかと思う。音に慣れることが主目的であるシャドーイングの場合、難し過ぎると逆効果になる。

モチベーションを維持する観点で、難度が低い教材と組み合わせた「チェンジ アップ」は効果的である。その観点でお勧めしたい教材は、Graded Readerと呼ばれるネイティブの子供向けの英語本である。以下に挙げた本に限らず、難度のレベルに合わせて非常に数多くの本が出版されている。CDが付属されていることを確認の上で、自分自身が興味を持てる参考書を「厳選」して取り組むことが重要と考えている。


1.【非常に簡単】Barack Obama (Penguin Graded Readers LEVEL 2)
2.【簡単】Beatles (Penguin Graded Readers LELVE 3)
3.【やや難】The Firm (Penguin Graded Readers LEVEL 5)
4.【やや難】Business @ the Speed of Thought(Penguin Graded Readers)LEVEL 6

 

尚、3冊目に挙げた「The Firm」は、ケイマンを使った租税回避とマフィアによる資金洗浄マネーロンダリング)をテーマに描いた小説が原作で、トムクルーズ主演の大ヒット映画となった非常に面白い内容。ビジネス英語に興味のある人にとっては最適な教材である。

 

これ以外にシャドーイングを継続するためのアイディアとしては、テレビ(英語放送)を眺めながら、片耳だけリスニング教材を聞き、シャドーイングをするというものもある。理想的には音のない部屋で100%集中してリスニング教材だけを続けるのがベストであるものの、緩急をつける方法としては、テレビを眺めながら「自然に耳に入る音」を、オウム返しでとにかく長時間続けるというのも有効な方法である。

 

また、リスニングと同時に「適当に」ディクテーションする方法もある。筆者はシャドーイングに気持ちが乗らない時には、こっちを導入部分で良く使っていた。リスニングしながら聞こえてくる英語の好きな部分を、メモ用紙に筆記体で高速でディクテーションしていく方法。全部はディクテーションできないので、好きな部分だけ、適当に書き殴っていく、それでも効果を実感した。手を動かすと眠くもならない。これが軌道に乗ってきたところで、本格的なシャドーイングに移行するようなイメージである。

 

最後に、シャドーイングに限らず英語の学習には「十分な時間の確保」が極めて重要であると感じている。目安としては、平日2~3時間、休日5~7時間で、一週間で合計20時間強が目指すべきミニマムの学習時間と考えている。個人差は当然あるはずだが、逆にこれぐらいの時間が確保できないと、成長の実感が持てないためモチベーションの維持が難しくなると考えている。

中途半端に始めて、挫折経験を持ってしまうよりは、仕事や家庭の状況を事前に勘案の上で、忙しくない時期を事前に狙って、十分な時間を確保して数カ月を走り切る(=目標レベルに到達する)ことが語学の習得には重要ではないかと考えている。

 

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