ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

純粋ドメスティックが考えるグローバル人材(3)

f:id:madeinjapan13:20131009053842j:plain

(3) SpeakingをWritingで補うことを戦略とした場合、、、

このアイディアを戦略とする場合、どういった方法論が考えられるだろうか。前述のプレゼン前の入念な資料作成や、メールや添付ファイルでのきめ細かなフォローに加えて、更なるウェブサイトや、ソーシャルメディアの活用について、可能性を探りたいと考えている。

おそらく今日において、情報を収集する場合の最初のステップは、ネットサーフィンではないだろうか。ウェブの世界はWritingだけか、あるいはビデオをアップする場合でも用意周到に準備されたSpeakingの世界。経験的に、外国語であったとしても、日本人が最も得意とする領域と感じている。実は IT革命と新興国含めたネット時代の到来は、ぶっつけ本番のSpeakingを苦手とする日本人にとって、工夫次第で強力な追い風になるのではないかと感じている。

筆者が把握できていないだけで、既に海外ビジネスでウェブを最大限活用されて成功されている日本企業も多く存在するのかも知れないが、海外で心許ない英語Speakingで会社紹介や商品説明を行ったり、日本語の説明を淡々と通訳が翻訳するよりは、質問の余地もないほどの豊富な情報をネットやメール経由で発信しておき、面談する時には相手が決心を固めている状態に、どうにかできないものかと、純ドメ出身者としてはどうしても考えてしまう。それぐらい純ドメ日本人にとって、一発勝負のSpeakingはリスクが高いと感じている。

またデジタルコンテンツ(例えばウェブ上ソフトウェアPrezi)を活用した方法であれば、アナログでは難しいビジュアル面で外国人に差をつけることが比較的容易であり、近年にわかに注目される「日本はクールだ」という外国人のありがたい固定観念に訴求できる可能性もある。なぜ日本がクールだと思われているのか、訴求すべきイメージが具体的に何なのか、正直日本人自身としてもコンセンサスに至っていない気もするが、せっかくの追い風なのでうまく便乗していきたい。

筆者自身としては、そのためにも「体験的TOEFL(英語)学習法 (7) ぜひ挑戦したい英語メディア」でご紹介したMonocle、Wallpaperの日本関連記事は、欧米のハイエンドユーザーの日本観を知るためにも、できる限り目を通すように心掛けている。工業デザインや建築、レイアウトなど、欧米人が視覚認知している「クールな日本」があるはずで、そのエッセンスをうまく自分たちが作り上げるビジュアル資料に反映していく必要があると考えている。


こう考えると自分を含めた純ドメ日本人が受けてきた教育も、Speaking主体のネイティブ英語に向けたフルモデルチェンジを経ずして、受験英語の延長線でのマイナーチェンジで、かなり対応できる可能性があると感じている。「体験的TOEFL(英語)学習法 (1)」でご紹介した通り、できる限り持てる眠れる資産の最大活用を考える方が、無理、無駄が少なく済み、最終効果の最大化が狙えると考えている。

また実際に公共政策の観点で、教育制度改革は膨大なスイッチコスト(例えば今の英語の先生をどうするか?など)を伴い、また仮にフルモデルチェンジに成功したとしても、効果が表れるまでに最低20年は要すると見込まれる。この観点で、まずはできる限り現在まで日本人が最も集中投資してきており、教育インフラが比較的整っている大学受験英語システムのアフターケア最適化(大学受験で手薄なWriting補強など)に、先に着手するほうが合理的ではないかと感じている。


以下、「純粋ドメスティックが考えるグローバル人材(4)」へ続く。 

 
> このブログの記事一覧へリンク