ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

ハーバードを卒業したら、警察官になります。

私はハーバード大学(学部)を卒業した後に紆余曲折を経て、ニューヨーク市警の警察官として、ブロンクスを安全な場所にするために毎日働いています。幸運にもケネディスクールに入学し、再び学ぶ機会を得ましたが、本日の卒業式後、週明けの月曜日からは職…

イノベーションは教育できるか?

以前の投稿「リーダーシップは教育できるか?」では、ハーバード(ケネディスクール)のリーダーシップ教育についてご紹介した。アメリカではリーダーシップ教育に加えて、イノベーション教育が盛んである。 ケネディスクールでは、マッキンゼー出身のリチャ…

意外?「ジャパン(Japan)」は、もともと中国語、、、

以前の投稿「オモシロキコトモナキ英語ヲ、オモシロク」では、日米中3か国語を学ぶ中でのオモシロキコトとして、「侵略(invasion)」と「国際連合(United Nations)」を例に挙げて、翻訳の過程で発生するギャップについてご紹介した。 ところで筆者は、昔…

アセアンシフトは妥当な判断か?

以前の投稿 「中国という魔法の言葉」では、ハーバードビジネススクールの授業で、「中国市場」がいかに特別に重視されているかをご紹介した。欧米メディア情報を見る限り、これはアメリカに限ったことではなく、欧米諸国共通のトレンドと感じる。 今年6月、…

三井物産筆頭常務 安川雄之助の生涯 (2)

安川雄之助は飛行機も電子メールもない明治、大正時代にも関わらず、インドの綿花輸入を振り出しに、米国ニューヨーク勤務、中国大陸での軽工業品の取り扱いや、ロシアでの重工業品の取り扱いなど、世界中を縦横無尽に活躍していく。 世界情勢を読み、商品相…

三井物産筆頭常務 安川雄之助の生涯 (1)

学生時代に就職活動で商社を志望した際に、きっかけとなった書籍がある。「三井物産筆頭常務 安川雄之助の生涯」と呼ばれる、明治から昭和にかけて三井物産で活躍した商社マンの自伝である。安川雄之助は明治22年(1889年)に三井物産入社し、当時の日本の主…

遂に上海でフェイスブック、ツイッター本格解禁か

数日前の投稿「中国への誤解(海外情報は完全統制されている?)」にて、VPNを経由して、既に中国本土でも事実上フェイスブックやツイッターが利用できるようになっていることをお伝えした。 本日付けの香港紙South China Morning Postは、今月末に新しく設…

ハーバードで語るアメリカの東アジア戦略(3)

前々回の投稿「ハーバードで語るアメリカの東アジア戦略(1)」では、現在のアメリカにおいては、これまでの冷戦システムと日米同盟についての見直し論が出ていることをご紹介した。筆者が実際に接したアメリカ人の中には、かなりあからさまにチャイナシフトし…

ハーバードで語るアメリカの東アジア戦略(2)

前回の投稿「ハーバードで語るアメリカの東アジア戦略(1)」では、アメリカにとって、日本のステディとしての立場が盤石ではなくなってきていることをご紹介した。冷戦の終結と、中国の台頭が不可避的に、日米関係の見直しをも迫っている。 アメリカとの良好…

ハーバードで語るアメリカの東アジア戦略(1)

誰もがアメリカの戦略に注目している、といって過言ではない。特に、日中対立については、グローバルテーマとなっているため、アメリカにとって「対岸の火事」ではなく、紛れもなく当事者としての判断を行っている。 日本語のメディア、あるいは中国語のメデ…

ロスト・ヒストリーを取り戻せ

筆者はハーバード留学中に、他の日本人留学生の方と共に、エズラ・ボーゲル名誉教授の個人塾にて指導を受けた。ボーゲル先生は1979年に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という伝説のベストセラーを出版され、一世を風靡したハーバードの著名教授。実はご専…

サウジアラビアの美人コンテスト

以前、中東の仕事をしていた際に、サウジアラビアに数週間滞在したことがある。 イスラム教国はどこでも何らかの宗教上の制約(女性のスカーフ着用など)があるものだが、サウジアラビアは中でも最も厳しい制約を国民に課している。酒は外国人であっても、一…

東京オリンピック2020で、日経平均3万円?

2020年東京オリンピック開催決定を経て、日本株を買う動きが出てきている。筆者が見た中で最も勇ましい解説記事は、日経新聞電子版に9月4日に掲載された「五輪招致成功で日経平均3万円の可能性」という記事である。(全文閲覧には会員登録必要)タイトルか…

オモシロキコトモナキ英語ヲ、オモシロク

「オモシロキコトモナキ世ヲ、オモシロク」は、有名な高杉晋作の辞世の句であるが、世の中全てとは言わないまでも、外国語の勉強はオモシロキコト少なく骨が折れる。ブログタイトルの通り、純国産ドメスティック出身の筆者も、英語、中国語の習得には厳しい…

リーダーシップは教育できるか?

「当時の社長から突然電話があり、後継社長に指名したいと言われた。私が社長になるなど想像もしていなかったし、社長の器か自信はなかったので、一晩考えさせて下さい、といって電話を切った。・・(中略)・・・周囲の励ましもあり、思い入れある会社のた…

中国経済はダメになるのか?

中国経済はダメになるのか?と良く質問を受ける。中国にネガティブな印象を持たれている方からは、中国経済は「やっぱり」ダメになるのか?と質問される。ネガティブなバイアスを持っている人々の方が、知りたい意欲が高いため、結果としてメディアに溢れる…

中国への誤解(海外情報は完全統制されている?)

最近5年程は、日本、アメリカ、中国でそれぞれ同じぐらいずつ過ごしている。その中で最も顕著に感じる中国への誤解は「情報統制」についてである。中国に住んだことのある人ならばご存知の通り、中国のメディア(新聞やテレビ)は中国政府の検閲を受けている…

ハーバードの優等生達

ハーバードの授業の成績評価は、およそ半分がケーススタディを議論する「授業への貢献度」で決まる。 学生はアメリカ等の競争の激しい大学でいわゆる「全優」に近い成績を修めてきたような者が多いので、レポートの提出や筆記試験で大きく差をつけることは難…

ノウハウよりもKnow-who

「中国ビジネスで負けないための戦略は何か?」1月末、Doing Business in Chinaと呼ばれるハーバードで唯一中国ビジネスを正面から取り扱う授業の初回講義で、ハーバードビジネススクールの担当教官であるWilliam Kirby教授は学生に問い掛けた。 カービー教…

「中国」という魔法の言葉

ハーバードビジネススクール(通称HBS)の国際戦略経営論(Jordan Siegel教授)では、急成長する東アジアのポップミュージックをテーマとした授業が行われた。教授自身が徹底的に分析したと断言するだけあり、日本人である自分の目で見ても相当充実した内容…

ハーバードのチャイナパワー

ハーバード大学が発表しているFactbookによると、2010年度の同校への留学生の国籍別の在校生数は、全てのスクールを通算して日本が100名であった一方で、中国は541名となっている。シンガポールからも133名の留学生が在籍しており、その大半は華僑と判断され…

留学のきっかけ(ヘッジファンドの助言)

アメリカに留学する日本人は、さまざまな動機の人々がいる。シリコンバレーのITベンチャーに刺激された人、大学の研究者として科学や工学の最高峰を極めたいと考える人、ビジネススクールを卒業してコンサルタントや経営者を目指す人、アメリカのカルチャー…