ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (5)

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(5)最新のネットツールを活用する

筆者は大学受験時代、国立受験5科目の内、英語が最も苦手な科目であった。なにしろ受験参考書はツマラナイこと極まりないし、外国語学習という割に田舎の県立高校であったため周囲に外国人は皆無の状態、モチベーションも上がらなかった。

その点、ネットの普及は革新的といえる。SpeakingやWriting練習のために格安のフィリピン人講師による会話レッスンを受講することもできる。(例、レアジョブ)また、アメリカ人講師でも、太平洋を越えてスカイプを使って家庭教師になって貰うこともできる。(例、北米のサービスWyzant)英語はコミュニケーションツールである以上、こうした最新サービスを最大限活用して、低コストで、できるだけ「使うチャンス」を増やしていくことが有効と考えている。

 

ところでTOEFLのハイスコア対策という観点で、SpeakingとWritingの目標スコアについて付記。TOEFLではSpeaking6問についてネイティブ採点官(1名)が1~4までの4段階評価、Writing2問はネイティブ採点官(1名)と機械採点が1~5までの5段階評価でされると主催者ウェブサイトで公表されている。この採点をもとにS/Wそれぞれ30点満点で最終点数が決定される。

Speakingについては4段階中の最高評価を得るためには、発音を含めたかなりのネイティブ度が要求されるため、現実的には全問3の評価(総合点23点)が一旦の純ドメの目標点数になる。一方で、Writingは純ドメでも練習量次第で4.5~5.0、つまり総合点で28~30点を狙うことができる。

フィリピン人講師でもかなりの水準まで伸ばせると思うものの、Writing満点近くを目指す場合には、やはり多少コストが上がっても、アメリカ人ネイティブに見て貰う方が無難と考えている。Speakingについては総合点23点狙いであれば、コストを抑える観点で、フィリピン人講師とできるだけたくさん会話練習を積むのが有効と考えている。Speakingで24点を越させようと考えると、アメリカ人ネイティブによる発音矯正(例、ジングルズ)のような、ハイエンド・サービスが必要になるかも知れない。

 

尚、Writing練習の際に念頭に置いておきたいポイントは、クオリティもさることながら、英作文のスピードである。「30分500語」を目標としたい。(語数と字数の違いに要注意)

試しにやってみると実感できるが、30分500語というのは猛烈なスピード。ほとんどキーボードを休みなく打ち続けて、漸く30分500語になるはず。つまり書く内容に頭を使うために、しばしキーボードを止めることはあっても、それ以外は打ち続けるというのが、このスピード感となる。

TOEFLのWriting問題2問目は30分の自由英作文、ミニマム300語となっているものの、ネイティブの採点官を意識すると400語は打ち込みたいところ。「30分500語」はTOEFLに限らず、GMAT、GREや留学後のテストでも同様の語数基準でテストが設計されていることを考えると、ネイティブと伍して英語を使う場合のスタンダードなスピード感ということになると感じている。筆者もストップウォッチを使って「30分500語」を目指して練習を積んでいた。

 

ところで、日本人は当然、学校のノートや仕事のノートを日本語で取っている。筆者を含め、多くの留学経験者が採用していた方法は「英語でノートを取る」という方法である。人間が文章を書く場合には、以下のプロセスを踏んでいる。
 1. 書く内容をイメージする
 2. イメージした内容に合致する単語が思いつく
 3. 単語を基に文章構成を考える

Writing練習の前段階として、まずは1と2の作業を高速化することが有効で、そのためにノートを英語で取る方法は実際にかなり役に立つと感じる。「期末営業報告」、「一時休止」、「だらだらしてしまってやる気がでない」、「飲み会で友達を励ました」、などなど、日本語でスラスラ出てくるボキャブラリーが、英語ではなかなか出てこないことを実感するはず。「言いたいこと」を瞬時に、英語に変換できる思考回路を作るために英語のノートテイキングを始めてみることも一案と思う。

 

ということで、5回に渡り「体験的TOEFL(英語)学習法 」をご紹介してきた。最初の投稿「TOEFL、このイマイマシキ難物 」で申し上げた通り、TOEFLは、受験費用が尋常でなく高いことを除けば、恐らく現在人類が開発した中で最良の語学試験と思う。勉強した努力が「あれは何の為だったのか?」と裏切られることがほとんどない、という点で非常に有意義な努力であると確信している。

筆者はとある理由から、最近TOEICを10年ぶりに受験することになったが、実際に受験してみて、難易度としても、問題のクオリティとしても、やはりTOEFLと比較するとかなりのギャップを実感した。大学受験と実践的英語の間の「つなぎ」としてのTOEICの意義は否定しないものの、両者を同列に論じることもまた適切ではないかも知れない。

 

TOEFL、このイマイマシキ難物 、然れどもより本質に迫る試験、というのが筆者の持っている率直な実感である。 

 

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