ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (6) 英語メディアを日常的に活用する方法

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筆者としては「TOEFL、このイマイマシキ難物 」で申し上げた通り、TOEFLが単なる試験対策に止まらず、「真の英語力」を鍛える上で有効な学習と感じている。一方で、試験を突破して留学をしても、欧米英語メディア(新聞、雑誌、テレビ、映画)の内容を「日常的に活用する」というのは、レベルに際限がなく、毎日今でも格闘を続けているし、幸か不幸か、恐らく一生続けていくことになると思う。

とりあえずの目標、ビジネスに取り組む立場で、日常生活の中に英語メディアの情報を取り込むための方法として、あくまで参考まで、筆者自身の試行錯誤の結果をご紹介して、これまで5回の投稿を補足させて頂きたい。

 

(1)専門分野、得意分野に絞って深堀りしていく

筆者は本腰を入れて英語を勉強し始めた際に、あらゆる分野の英文に目を通すようにしていた時期がある。これは後から振り返って、学習の初期段階においては非効率であったと反省している。

例えば、英語のファッション誌や、芸能ゴシップ誌を斜め読みしていた時期もあったのだが、なにしろ前提知識や、専門用語に慣れていないため、それを理解することにばかり頭を使ってしまい、肝心の英語力向上に集中できなかった。

逆にかなり硬派な内容でも、自分の専門分野、得意分野である、例えばデリバティブの損失処理の話題や、ポートフォリオのリスク分析についての研究成果については、日本語を読むのと遜色ないスピードで読むことができた。没頭して一分野の英文を読み続けていくと、硬派な英文の構造にもストレス少なく慣れることができ、結果としては、他の分野の英文を読む上での足掛かりとなると感じた。

この観点でWikipedia(英語版)は使える。自分の専門分野のページを読んで、次々出てくる単語をクリックしていけば、次々新しい関連分野の英文が読める。筆者もWikipedia(英語版)からコピーペーストした、独自の整理ファイルを自作していた。

 

(2)ビジネス分野のボキャブラリーを増やす

体験的TOEFL(英語)学習法 (2) 」にてご紹介した4冊のシャドーイング教材を、全てこなせば、かなりのボキャブラリーになるものの、この4冊はアカデミックな内容の単語が多いため、ビジネス分野のボキャブラリーの補強が必要となる。お勧めしたい参考書は以下の2冊である。

 1. 速読速聴・英単語 Business 1200 (やや難)
    2. 速読速聴・英単語 Advanced 1100(難)

どちらもZ会が制作している。2のAdvancedの方は、The Economistなどの硬派な雑誌から記事が多く抜粋されているため、英文の難易度も高く、ボキャブラリーのレベルもかなり高い。

先述の4冊に加えて、この2冊をこなせば、大方のビジネス関連の英文はかなりスムーズに読めるようになるはず。あるいは1のBusinessだけでも、新聞を斜め読みしたり、ニュースを斜め聞きするぐらいは、簡単にできるようになると感じている。

 

(3)映画の字幕機能を活用する

興味の持続と、日常会話を学ぶという観点で、映画を見るのは有効と感じる。DVDであれば英語の音声に、英語の字幕を出すこともできるので、聞き逃した時に、ちょっと巻き戻して、役者がなんて言ったかを確認することもできる。

やや注意が必要な点は、使う場面に適した映画を選ぶ必要がある点である。恋愛映画のセリフ回しをビジネスで使用すると、失礼にあたる場合もあり、あるいは子供向け映画の表現をコピーすると、幼稚な表現をビジネス会議でしてしまうことになる。

また、話される英語の訛りも要注意ポイントである。代表的なのは、アメリカ英語とイギリス英語であるが、他にもオーストラリアや、ニュージーランド、アイルランド、シンガポール、インド、あらゆる英語に、時に非常に強い訛りがある。

TOEFL対策の点ではアメリカ英語に慣れる必要があり、ビジネスでの使用を目指す場合は、ビジネスパートナーの出身地の訛りに慣れる必要がある。以下、アメリカ英語の映画3作品をご紹介したい。

    1. ザ・ファーム 法律事務所
    2. 13デイズ
 3. アポロ13

ザ・ファームは2回目の投稿でもご紹介した、ケイマンの租税回避スキームを使ったマネーロンダリングに関するサスペンス映画。出てくる単語は法律や金融用語が多いが、日常会話もビジネス会話も両方含まれており、また内容が面白い。

13デイズは、キューバ危機を描いた政治もの。やや内容は硬派であるが、ホワイトハウスでのやり取りから、アメリカ東海岸のハイソな英語を学ぶ教材としては適切と考えている。

アポロ13は、有名なアポロ計画の中での失敗事例を映画化したもの。危機に瀕した際のNASAと宇宙飛行士のやり取りが印象的な名作。作品の性質上、やや宇宙、科学分野の単語が多いものの、映画としてのクオリティも高く、楽しみながら英語の勉強ができる。

 

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