ハーバード留学/研究員記録

純国産(純ドメ)の日本男児。 総合商社でアメリカ、中国の投資の仕事をしてきた後、 ビジネスと政治経済の融合を目指してハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School)に留学。 修士課程を卒業した後、現在は同大学の研究員として中国にて現地調査中。 アメリカや中国で感じることについて書いていきます。

体験的TOEFL(英語)学習法 (4)

f:id:madeinjapan13:20120904113759j:plain

(4) Writing能力とSpeaking能力をどう高めるか
シャドーイングによってListening能力が高まった段階で、WritingとSpeakingの能力開発に進むことが望ましい。重要な点は、リスニング力が中途半端な状態で、WritingとSpeakingに進まないことである。相手の言っていることが聞こえないと、話す内容を考えることすらできないためである。例えば、TOEFLハイスコア(100点以上)対策の観点では、ReadingとListeningの合計点が50点/60点以上になった段階が、Writing、Speaking対策に移る目安と考えている。

 

Writing能力とSpeaking能力に共通していることは、「言える(書ける)ことを増やす」と、「ロジック展開」の2点といえる。

 

日本語では何でも言いたいことが言えてしまうので、多くの人の脳は反射的に「言いたいこと」に向かってしまう傾向にある。一方で、外国語で「言えること」は「言いたいこと」より極めて少ない。一説には読める単語の内、書ける単語は1/3以下、聞ける単語の内、言える単語も同様に1/3以下らしい。Writing、Speakingについては、とにかくこれなら必ず言える、という簡単な表現を、どう器用に組み合わせて、結果的に自分が「言いたいこと」に近づけていくかが重要である。

例えば、「親米的な日本国民は漸増している。」という言いたいとする。親米的は「pro-American」が正確な英語だが、むしろ格調高い表現を考えるよりも、より簡単な表現「Some Japanese people like the United States.」を選択する。そして日本語が一文であるがゆえに、英語もワンセンテンスで言い切ろうとするのではなく、「The number of those people is gradually increasing.」と分解して説明する。

翻訳の過程で生じる意味の欠落を、lost in translationと言ったりするが、かなりのハイレベルに達したとしてもこれは避けられない。こうした意味の欠落は「冗長性」でカバーすることになる。つまりできるだけたくさん言って、意味を補足するイメージ。例えば「親米的」を「like the United States」と表現することにニュアンスのギャップを感じる場合は、第一センテンスを「Some Japanese people like the United States because of its diplomatic policy.」と言い換えることで日本語の「親米的」の中にある政治外交的なニュアンスが出せるようになる。

 

また日本人が思う以上に、英語試験でWriting、Speakingをする場合には、ロジック展開が重要となる。アメリカ人は中学高校で「Five Paragraph Essay」というロジックの型を学び、とにかく徹底して論理的な文章を書くことを教え込まれている。ロジック展開が不明瞭な文章(や発言)は、たとえ言いたいことが意義深いことであっても、極端に評価が低い結果となる。

この「Five Paragraph Essay」という以下形式の論理展開を指している。実はこれはとても便利なフォーマットで、何か主張したいときには必ずこの形式に乗せると、コンピュータープログラミングのように、アメリカ人ネイティブが理解してくれる。

 1. 導入: I think… for the following reasons.
 2. 理由1: First, …
 3. 理由2: Second, ….
 4. 理由3: Last but not least, ….
 5. 結論: 導入部分で言った結論を再度言う。あるいは〆の言葉をつける。

ちなみに理由が3つに収まらない時どうするか?その時は、筆者自身の経験から考えると、無理やり強引に3つに押し込む方が良いと考えている。「理由は3つ」が一番スッと頭に入るらしい。これは恐らく幼少期からFive Paragraph Essayが刷り込まれているから、直感的に「理由は3つ」なのだろう。

 

5つあるパラグラフの各パラグラフは3文前後にまとめるとちょうど良いと思う。また、各パラグラフの先頭の1文は、簡潔にパラグラフのメインの結論を含める。極端にいえば、先頭の1文だけを読んでいって、文章の言いたいことが分かる状態にすることが必要となる。加えて、ネイティブはRedandancy(同じ表現の繰り返し)を極端に嫌うため、文章の前後で同じ表現にならないように、若干表現を変える必要がある。

 

 > このブログの記事一覧へリンク